真珠腫性中耳炎

小児には少なく、成人に多い中耳炎です。
鼓膜の一部が中耳(内側)に陥凹して入り込み、その内側に角化物が貯まって起こる中耳炎です。この角化物は白いので真珠腫と呼ばれます。

特に小児に多く見られる先天性真珠腫では、真珠のような白い角化物(下図)を認めます。
真珠腫性中耳炎 小児

症状

真珠腫が徐々に大きくなると、周りの骨や組織を破壊し、症状を引き起こします。難聴はほとんどの人に起こります。初めは軽度ですが、病気が進行するに従って、難聴も進行します。
耳だれが出ることもありますが、急性中耳炎のように大量に出ることは少ないのです。
長く処置をしないと、角化物が貯まったままになり悪臭が出ることもあります。病巣が進行すると、めまいや顔面神経麻痺を引き起こすこともあります。

鼓膜の状況

真珠腫性中耳炎 鼓膜の状況

治療

基本的には手術が必要となります。

初期の場合には手術によって聴力改善することも期待できます。手術の場合、通常約1週間の入院が必要となります。高齢など様々な理由で手術ができない場合は外来で真珠腫を可能な限り、少しずつ除去します。病状が落ち着いても、定期的に診察したり、聴力をチェックすることが必要です。

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